アフターサンを見た
やっとアフターサンを視聴した。
アマゾンプライムの配信が明日までだったので、ついに重い腰を上げた。
感想としては、『めっっっちゃ良かった』
離婚(?)しているのか、離れて暮らす父と娘の、ある夏の思い出が1時間30分映し出される今作は、成長物語などではない。
ただ、ひたすらに退屈で、眩い夏のバカンスの様子だけがそこにある。
笑えもしなければ、号泣もしなかったけれど、今まで感じたことがない、喪失感や胸の疼痛を感じた。
ビデオカメラ越しに映る、美しい思い出と、その外側にある父としての葛藤、微妙な距離感と愛情。
この映画は、大人になった娘がビデオカメラの中の記録を通じて、あの日の父の心の動きを再解釈するものとなっている。
父親が娘と離れることに対する、とてつもない悲しみは、決してカメラには映らない。しかし、大人になって酸いも甘いも知ったソフィは、その父の痛みや喪失、それを覆い隠しても余りある愛情を、よく理解することが出来るのだろう。
長い映画ではないが、見ているこちらも、いつかの夏のバカンスを追体験し、また父親の視線を追体験することができる。一人部屋で、声を上げて慟哭する男を見ているとき、私はどんな表情をしていたのだろうか。
視聴後は深い喪失感に包まれたが、それはネガティブなものではない。
喪失感の裏には、忘れられない美しい記憶と愛のまなざしがあった。
それは表裏一体で、切り離せないからこそ、重さを持つ。
床に敷かれたペルシャ絨毯は、父親との絆を物語としていつまでも記憶しているのだ。


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